タニラーの皆さんこんにちは!
皆さんこんな言葉に惑わされた経験ありませんか?
たっぷり水をあげる
水をあげすぎると蒸れる。じゅれる。溶ける。
水を切れば丸く可愛くなる。
このよく聞くテンプレートとも言える言葉の
意味がよく理解できない!!矛盾してるじゃん!!
って方向けに
今回土の水捌けと水やりのバランスの話をしたいと思います。
これを理解すれば多肉植物を枯らせてしまう確率がうんと減りますよ!
Contents
最初に知るべき2つの事
今回の話をするにあたって「水捌け」「多肉植物の種類」この2つは最初に押さえていただきたいと思います。
1個ずつ解説します。
「水捌け」とは「土の構成」と「風通し」
水をあげたばかりは土が「びちゃびちゃ」ですね。
それが乾いていって土が「カラカラ」になります。
この「びちゃびちゃ」から「カラカラ」になるまでのスピードを「水捌けの良さ」なんて言いますが、この「水捌けの良さ」は
「土の構成」と「風通し」に左右されます。(日当たり気温にも左右されますが大きいのはこの2つです。)
「風通しは」敷地のどこに置くかで変わりますが、風通しの良い家、悪い家があります。
扇風機を使うまで行くとちょっと重い話ですし
初心者さんには限界がありますよね。
しかし「土の構成」に関しては水捌けの良い土を配合したり、鉢を変えてみたり自由自在にコントロールできます!
「水捌け」は「土の構成」と「風通し」で決まり、「土の構成」は初心者さんでも簡単にコントロールできるので、まずは各家庭に適した土の構成を追求しましょう。
もちろん扇風機を購入して風のコントロールもできれば最高です!
扇風機についてはこちらの記事を参考にしてみてください!
多肉植物の種類により求められる育て方は変わる
これも勘違いしている人が多いのですがエケベリアなら全て同じ育て方。
もっとひどいとエケベリアが育つなら、同じ状態でセダムも元気に育つ。
と考えている方がいますがそれは違います。
多肉植物は強いのでなんか育ってるだけです。
多肉は世界各地、さまざまな環境の土地を原産とする植物なのでそれぞれ求める水分量、育て方が変わります。
しかし、素人の方が
春秋型とか夏型冬型などよく言われる区別まで細かに区別管理する必要もないと思います。
今回水やりの話なので求める水の量はちょっと違うんだよ。というのを抑えて頂ければ大丈夫です。
余談になりますが、基本的にセダムは水を沢山あげるとよく育ちますのでエケベリアよりは保水性のある土にしています。
同じ土にするとカラカラに枯れていますので、もしセダムがカラカラに干からびているようなことが起きているのであれば水やりを多くするか土を変えて見てください。
目指すべき水捌けと水やりのバランス
本題です。
たっぷり水をあげた直後の「びちゃびちゃ」の状態を100
「カラカラ」の状態を0とした時のグラフを作ってみました。(縦軸)
水をたっぷりあげてから多肉植物がしっかりと水を吸う期間を設けつつ、次の水やりにはしっかりと土が乾いている状態が理想です。
グラフの赤い部分はびちゃびちゃの状態とカラカラの状態であるデンジャーゾーンになります。
保有水分量がデンジャーゾーンの状態で長期間放置すると何かしらの障害が起きやすくなります。
グラフ上部のデンジャーゾーン
土の保有水分量が多い期間が長くなるとといわゆる「蒸れる」と言われる状態になります。
ダニやカイガラムシなどの害虫、細菌が増殖しやすく、突然に枯れてしまう事故が起きます。(ジュレル・溶けるなどと表現される事故は大体の原因がこれです。)
この状態が長く続いてしまうのであれば、土の排水性の見直し・風通しの見直しが必要です。
グラフ下のデンジャーゾーン
カラカラの状態を長く放置すれば苗が弱り、根が死んでしまう事もあります。
特にエケベリアの根は細く弱いです。
また、苗が水分不足でペラペラになっているときに強い日光が当たると葉焼けや高温障害(葉が黄色く枯れる)の原因になります。
安全であると勘違いしている方が多いですが、エケベリア、特に葉の薄い種類はこれで良く枯れてしまいます。
多肉植物が水を吸う期間と乾燥させる期間のバランスをとることが重要です。
ご家庭の環境を把握して「水捌け」と「水やりのタイミング」をコントロールしましょう。
このコントロールに慣れてきたら、多肉をぎゅっとさせるために乾燥気味にしたり、大きくするために水を多めに与えたりと遊ぶことができるようになるでしょう。
あまり良くない例
初心者さんがやりがちな多肉植物と相性の悪い水遣りと土の水捌けをグラフにしてみました。
季節の違いや多肉植物の種類の違いを初心者さんなりに考えた末に行きつきやすい良くない例です。
全部わたしがやってきた事ですw
あまり良くない例 その① 水を少ししかあげない
上の部分のデンジャーゾーンを恐れるあまり、初心者さんがやりがちな水を少ししかあげないパターンです。
確かに細菌感染や害虫の被害は抑えられますw
また多肉植物は葉に蓄えた水分で1、2ヶ月は生きますので急に死ぬことはないですが、着実に弱ります。
乾いていれば怖くないと勘違いしているかたが多いですが
水が吸えないので苗が弱り、根が枯れてまた水が吸えなくなり・・・というループにハマります。
苗が水を吸う期間を確保しなければいけないのでどうしてもデンジャーゾーンは避けれません。
多肉植物の水やりの基本は「たっぷり水をあげる!」です
この言葉も解説していますのでまだの方はこちらの記事をどうぞ
理解していないと、うまく水を与えられていない可能性があります。
水やりの回数は多いのに、水をうまく与えられていないとこのグラフのようになっている事があります。
あまり良くない例 その② 土の水捌けが悪い
土の保水性が高すぎる、もしくは風通しが悪いパターン
水捌けが悪いので保有水分量が下がらず、デンジャーゾーンに居続けます。
市販の「多肉植物の土」なんか使ってるとこうなりやすいです。
害虫や細菌感染のリスクが高く 突然死する恐れが高いです。
安い腐葉土とか使用していたら最悪です。
水捌けの良い土の構成に変える。風通しの良い場所におく。素焼き鉢など通気性のある鉢に変える。等の対策をしましょう。
あまり良くない例 その③ 水やりすぎ
元々観葉植物などを育てている方が陥りやすい
多肉が可愛くて可愛くて水やりすぎちゃうパターン
こちらもその3と同じでデンジャーゾーンにいる期間が長くなり、突然死の可能性が高くなります。これに加えて水捌けも悪いと確実に死にます。
初心者さんにおすすめな例
初心者さんにおすすめなのがこちらの例です。
土の水捌けを良くし、風通しも良いところに置くのです。
水捌けに極振りして、水やりを多くしてあげます。
鉢に底石を引いて鹿沼土の細粒のみの構成がやりやすいでしょう。
さらに排水性を高めたいのであれば日向土(ボラ土)と言われる小石を混ぜたり、
底石を多くして土の量を減らすなどするといいでしょう。
室内で育てる場合もこれは有効です。
慣れてきたら、土に色々と加えて理想的なグラフを思い描いてみてください。(安い腐葉土はお勧めしません。雑菌の塊だから)
土の配合についてはこちらの記事で解説しています。参考にしてみてください!
まとめ
多肉植物を育て方は正解はないと言われています。
こう育てれば必ず育つと言い切れないのです。
なぜかと言うと
- 育成する家庭環境(日当たり風通し)によって育て方が違う
- 春秋 夏 冬 時期により育て方が微妙に違う
- 種類により育て方が違う
- 可愛くするか、大きくするかで育て方が違う
からです。
特に育成する家庭環境は日本の北海道から沖縄までそれぞれ違いますので、同じ地域の方の話を参考にするのが一番です。
育成する場所(日当たり、風通し)はある程度選ぶことができますが、
「土作り」と「水やり」は制限なく人間がコントロールすることができます。土の構成を変えることで土の水捌けを、合わせて水やりの頻度をコントロールして理想的なグラフを作りましょう。
時期の変わり目に土の構成を変えて植え替えをするのはとても有効です。
慣れてきたら色々な土を使ってオリジナルブレンドを作るのも楽しみ方の一つ。
自身の家庭の環境(日当たり、風通し)を把握して先人達の知恵を取り入れつつ自分の育て方の感覚をまずは掴みましょう。
たっぷり水をあげるの意味をまだ理解していない方はこちらもどうぞ。
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