
タニラーの皆さんこんにちわ
今回は少し重い題材で、内容も文字ばかりの難しい話になります。
「植物が盗まれた時」の話です。
SNSなんかをやっていると年に数回はお聞きします。庭先での盗難被害や店舗での万引き被害
毎年10万円以上の商品がなくなる店舗を運営(ダメ運営)する私が!
万引き(窃盗犯)との戦いの中で気をつけている事をご紹介したいと思います。
犯罪者と関わる事になります。危険が多く注意する事ばかりで、思っているより面白くない話になると思いますが、頭の片隅にでも入れておいていただければと思います。
また2021年の春、実際に多肉植物の万引き被害に遭遇したので、事件発生から示談するまでの思い出話も書きます。
一応書かせていただきます。
当記事の内容等を参考におきた被害や、事象について私は一切の責任を持ちません!
こういう事もあるんだなとみていただければと思います。
Contents
窃盗罪(万引き)とは。
まずは窃盗罪(万引き)について簡単に。
窃盗罪とは他人の財物を故意に持ち去ることや無断で使用する事。です。
刑法235条により、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。とあります。
50万円以下って実際はどのくらいの罰金になるの?と思って調べたら刑事事件弁護士さんのサイトに平均で318,182円とありました。(2021・8・15)
https://atombengo.com/db/c/settou/t/bakkinsouba
初犯や、軽微な?窃盗では罰金刑を喰らうまでいくことが少ないので、罰金刑だけの平均で見ると高くなるのかな?と思いますが
30万円を超えた罰金は盗品と比べると高くつくことが多いのではないでしょうか。
警察へ通報する事について
警察への通報・相談はしたほうが防犯上良いことが多いので、通報ではなくても相談は必ずしましょう。
犯人はまた盗んでも大丈夫か、よ~~く観察しています。
再犯が続けばだんだんエスカレートしていき、被害が窃盗だけで済まなくなる事も考えられます。
めんどくさいのですが、最低限の対応は安全の為するべきです。防犯です。
そして警察はとても心強い味方です。
なぜなら日頃から変な人を沢山相手に仕事をしており、経験が豊富です。
どうすればいいか聞けば一緒に考えてくれます。
適切なアドバイスを聞き出しましょう!
ちなみに110番通報と最寄りの警察署への通報は少し違いがあります。
110番通報は履歴に残し、どんな通報だったのかお巡りさんが報告書を作成しなければいけないようで、通報者も詳しく状況を説明しなければいけません。
お巡りさんにも色々な方がいるのでそれで少し変わりますが、比較的丁寧な対応を得ることができます。
最寄りの警察署への通報は対応が少しアバウトになります。
私は状況により使い分けています。
例えば、現行犯、被害届を提出すると思われる時や早くお巡りさんに来て欲しいときは
110番通報。
子供の窃盗などで、まぁ相談程度でいいかな。というときは最寄りの警察署に電話します。
犯人確保・逮捕後に注意・覚悟すること
今回皆さんに一番伝えたいことになります。
皆さんと皆さんの家族の命に関わるとても重要なことです。
主に被害に遭われ、犯人を捕まえた後に戦う選択をする場合の注意・覚悟することになります。
逆恨みに気をつける
犯人はあくまでも「人」です。「人」は「人」を大した理由もなく殺します。
2021年8月6日に小田急線にて発生した事件をご紹介します。
犯人は万引きを通報された腹いせに店員を殺そうとしたが、店が閉まっていたので誰でもいいから殺そうとした。と供述したそうです。
あなたの植物を盗んでいった犯人は大丈夫な人でしょうか?
また、窃盗罪の場合、逮捕されても犯人は警察に拘束されない可能性もあります。
あなたとあなたの家族を守り切ることができますか?対策はできていますか?
特に自宅での窃盗の場合は犯人に所在を特定されているので注意が必要です。
もちろん警察を介さず自分で犯人を捕まえるなどして個人間で話を進めるのは非常に危険です。
犯人が警察は呼ばないでくれと頼んでくることがよくあるのですが、普通に危ないのでやめましょう。
円満に終わらせる事
上記の逆恨みされないようにするためには円満に事を収める必要があります。
例えば
盗まれた→ムカつく→捕まえた!→示談金だせ!!→2度とやるなよクズが!ペッペッ
この対応をしてしまうと犯人との関係が悪化するだけで逆恨みをされてしまう可能性が高く非常に危険です。
円満な解決と言っても様々なパターンがありますが
僕がいつも狙うのは「犯人側から感謝される事」です。
そんなことできるの?と思うでしょうが、結構できます。
多くの万引き犯は「反省」しています。
そして「後悔」しています。
本人だけではなくその家族も。
犯人が大人の場合に何を「後悔」しているのかというと大抵の場合「窃盗罪」という罪に問われ、多額の罰金や懲役刑に怯え後悔しています。(刑罰について知らない人の方が多いですが…)
子供の場合は学校や親に怒られる。生活環境が変わってしまいのではないかなど漠然とした不安で後悔している事が多いです。
ここで被害者にしかできない「許す」という救済のカードを使います。
この構図をうまく利用することで、円満に事を収めることができます。
犯人がこちらに謎の敵意を向けていないかなど
警察から犯人の状況を確認することや、犯人との直接の話し合いで心境を察することが重要になります。
相手にしてはいけない人とは
上記からなんとなくお気づきな方も多いと思いますが
窃盗被害に遭ってその後戦うかどうかは被害者側の覚悟の問題よりも
相手がどんな人物かで決まります。
では、どんな人物は危険なのか今までの経験から上げていきます。
- 理由無くこちらを敵視している
逆恨みになるのですが、たまに自分に少しでも害のある人間を片っ端から敵視して攻撃してくる人がいます。危険なので警察に任せて関わらないようにしましょう。
- 支離滅裂な言動をしている
「盗んで欲しいと神に頼まれた。」「もともと自分の物であって盗んだわけではない。」などと供述したり、犯行の際に右往左往するなど落ち着きのない行動をしている方は自身の思考や行動を制御しきれていない可能性があり、注意が必要です。
- 家族がいない・出てこない
犯人が捕まった時は子供、大人関係なく家族の方が間に入って話を進めてくれることがほとんどです。
犯人が独り身、もしは家族が出てこない場合は何かしらの事情があることが多く注意が必要です。被害者安全確保の為に警察が間に入ってくれるパターンもあるのですが
警察が間に入る=放って置けない。なので注意しましょう。
- 恒常的に万引き・窃盗を繰り返している。
窃盗には常習性があります。やる人は何回もやります。
ここで留意したいのが「何回も窃盗できる環境にいる」事です。
それ相応の理由や知識を持ち合わせている可能性があります。
社会的に無敵な人の可能性もあり危険です。(このパターン多いです。)
SNSに投稿することのメリットとデメリット
SNSに被害報告をすることでのメリットはたくさんありますが危険もあります。
投稿することのその意味を理解して投稿の仕方や、内容に注意をしましょう。
メリット
- 被害品の転売を抑制
盗品の写真をアップすれば可能性は低いですが、フリマサイトなどでの転売を多少防げます。
- 犯人が見つけて自首する可能性
某植物園さんで実際におきましたね。
インスタグラムを中心に拡散され、犯人が後日商品の返却と謝罪を行なった事件がありました。
- テレビ局から協力の打診が来る(動画ありの場合
これが意外なのですが、結構テレビ番組からDMやメールがきます。
夕方のテレビで防犯カメラの映像放送させてください!的なやつが
テレビ局の狙いとしては放送を見た犯人が自首して手柄を上げる事でしょう。
拡散力はSNSを上回りますので、打診が来ればかなり強力な一手となるでしょう。
デメリット
- 犯人が逆上する可能性がある
メッセージを伝えることになるので、内容によっては逆恨みをされる場合があります。
- 犯人に人柄を知られてしまう
こちらの人柄を伝えてしまうので、再犯するかどうかの判断材料を与えてしまう可能性があります。
- やりすぎると逆に訴えられてしまう
犯人にも人権があり、法律に守られていることは覚えておきましょう。
怒りのあまり行き過ぎた投稿をすれば逆に罰せられることになります。
やるなら冷静に、淡々と、狡猾にやりましょうね
多肉泥棒発生から示談するまでの思い出話
2021年に私の運営する店舗にて販売中の多肉植物が万引きされる事件がありました。
現行犯では捕まえることができなかったのですが、被害届を提出して刑事さんが特定、
その後示談をしました。
少しフェイクを入れていますが、その流れをご紹介します。
・1度目の犯行 2021年4月前半
本職での店舗に並べた多肉植物2点が万引きされました。
2号の黒ポットを二つ、店員の行動を伺いつつ、死角へ入り持っていたビニール袋へ入れ
そのまま退店。
店に入店してから盗って退店まで2分ほどの犯行です。
1時間後に万引き被害に気付き、防犯カメラの映像を確認して即110番通報
近くの交番のお巡りさんが来店し、事情説明。
悔しいので被害届を出したいと懇願。
(適当な理由で断られることが多いので、真剣にお願いしました。)
その場でお巡りさんと被害届の作成、現場の写真撮影等行い2時間ほどでこの日は終わりました。
被害届は不備の修正などで、後日お巡りさんが何度も来店して書き直してハンコを押し直しています。
被害届はその日完成させるのは困難です。出したらその後何回か修正が入り、その都度時間を取られるので、覚悟しておいた方がいいでしょう。
・2度目の犯行 2021年4月後半(2週間後)
夕方に犯人が再来店し、再度多肉植物を万引き。
今回は店舗にて普通に買い物をした後、一度退店してからすぐに戻ってきてポットを2つ手に取り
店員の様子を伺い死角にて持っていたエコバックに盗み入れ退店しました。
1回目同様、1時間後に万引きされていることに気付き、110番通報。
近くの交番のお巡りさんが来店し、再度被害届を提出する話になった後
今回は鑑識さんと刑事さんが来店。
詳しい状況の確認と、2度目の被害届の作成。
犯人が触っていた商品の指紋採取・床の足跡の採取、ついでに私の指紋も採取
3時間ほどかかりました。
ここから週1くらいで被害届の修正に刑事さんが来店する日々が始まります。
被害届は最終的に修正印だらけの素敵な書類になりましたw
ちなみに捜査状況などは全く教えてくれません。
適当に濁されますが、こちらとしてはたまに来る刑事さんの対応と言われるがままにハンコを押すだけで特にストレスはありませんでした。
・刑事さんからの連絡 2021年7月後半
刑事さんが来店し、見て欲しい写真があると見せられました。
庭にある植物の写真で、この植物は盗まれたものと品種が一致するか意見が欲しいとの事でした。
特徴ある品種だったので、盗まれた4つのうち2つは一致していると証言。
この日はこれだけで終了。期待が高まります。
・刑事さんから呼び出し 2021年7月後半
刑事さんから警察署の方に来て欲しいと連絡があり、ちょうど近くにいたのでそのまま直行
見て欲しいものがあると言われ、ついていくと盗まれた多肉植物と同じ品種が粗末な鉢に植えられた状態でありました。(3ヶ月ほど経っているのでかなり荒れた状態に)
事情を聞くと、犯人の自宅を特定し、ガサ入れをして家にあった植物を全て押収してきたとの事。
犯人は任意で警察署に来ており別室にいると。
かなり手がかりも少ない状況でしたので、犯人を特定してここまでやっていることに驚きました。警察すごい。
・刑事さんからの報告 2021年7月後半
後日刑事さんから
・犯人は犯行を認めている。
・犯人は犯行時の記憶がない。
・犯人本人は情緒不安定であるが、犯人の家族は普通に話をすることができ、こちらに謝罪のためにコンタクトを取りたいと申し出ている。
と報告を受けました。
この時、刑事さんに犯人の状況をできるだけ聞き取ります。
本人は情緒不安定で話あいは不可能であること。家族の人は普通に話すことができ、交渉の余地があるということ。そしてできれば本人が有罪になって欲しくないと願っていること。
犯人の家族の連絡先を聞き準備をします。
ちなみに、この時犯人はすぐ家に帰っていました。自由です。
・請求書の作成
家族の方と話を進める前に請求書を作成しました。
請求書は盗まれた商品代金と警察対応手数料の名目で私の手数料の2つ
この2項目は通常の商品の売買と同じで相手が了承すれば支払い頂き利益にすることができる物です。
もう一枚別に「示談金」を含めた請求書2枚を作成しました。
作成の際不安であれば無料の弁護士相談ダイヤルなど利用するといいでしょう。
私は請求の際のアドバイスもいただけました。
県や市区町村の行政サービスの一環で無料弁護士相談室なんてのがあったりします。検索して見てくださいね。
(金額が少額なので弁護士を雇うことはできません。相手もね。)
・犯人の家族へ連絡
めちゃくちゃ謝ってきました。ここでまともに話し合えることを最終確認です。
「己何してくれとんのじゃ!ボケカ○!落とし前つけろやぁ!」はやってはいけません。
あくまで和解が最終着地点。「誠心誠意謝罪いただきましたので私としてもこれ以上ことを荒立てるようなことは思っていないです。」などと適当に一方的に怒る人じゃないんだと安心させてあげます。
その上で淡々と商品代金と警察対応手数料を請求しました。
この2点については即ご了承いただきました。
続いて「この金額で示談になりますか?」と聞かれたので
「いいえ、示談金は含みません。被害届の取り下げの為の示談についてはこちらです!」
と用意していた2枚目の請求書を口頭で説明しました。
私はど直球にぶつけてみましたがここについては「交渉」なので、色々なやり方があると思います。
「示談ですか!?勉強不足で、なんとも。。知り合いの弁護士さんに相談して改めてご連絡でもいいでしょうか?」などとワンクッション入れてもいいかもしれませんね。
私の場合、相手は金額を聞いて絶句していました。
少しして考えてから折り返したいとの事だったので、了承して1回戦目は終了しました。
・示談交渉2ラウンド目
相手より連絡。
簡潔に相手の申し出をまとめると
「犯人の病院代などで、お金がない。値下げしてくれないか?」
とのことで、即「すでに破格の額を提示していますので、これ以上の値下げはしません。」と断りました。
ここで相手の話し振りから支払い能力も責任感もあるとして「分割の支払いでもいいですよ」と提案しました。(以前不動産会社で家賃滞納の回収をしていたのでその経験からの判断です)
この提案を受け入れてもらい、最終的に商品代金+警察対応手数料+示談金を4分割支払いすることで合意を得ました。
・示談書の作成
ネットにテンプレートがあります。そこにアレンジを加えつつ欲しい条項を組み込みます。
店舗への出入り禁止や無意味に近付かないなど約束事もついでにまとめます。
口約束ではなく書面で約束することは後々相手に大きな印象を与えられます。
今回は示談金の支払いが分割になりましたが、刑事さんに報告すると示談するなら早めにしてほしいとのことだったので1回目支払い後示談とすると明記しました。
本当はやりたくないですが、家族の方の誠意ある対応から支払いを拒むことはないというのと、万が一滞納が発生しても督促するのは割と得意なのでこうしました。(一括払いにしないと面倒ですw)
何月何日までに1回目の支払い。~月~日までに2回目の支払いと細かく記載して
私用、犯人用、警察への提出用に3枚作成。それぞれに私と犯人のサインと印を押しそれぞれ保管しました。
刑事さんに徹底的にやりますね笑 と褒められましたv
以降、しっかりと定期に支払いが行われ滞りなく事件解決となりました。
正直分割にしたのはあまりよくなかったなと思います。振り込み連絡の時、相手の反省する気持ちが薄れるのを若干感じましたw
ただ、犯人ではなく家族の方が窓口になり、一切犯人と直接やりとりがなかったのはいいことでした。
まとめ。防犯しようね!!!
この記事、書く書く。と言ってめちゃくちゃ遅くなりました。すみません。
盗まれたら簡単にお金請求できるんだ!と短絡的に思ってほしくなくて書くの難しいなぁと
放置してました!ごめんね。
仕事柄万引きなんて日常なんですけど
何が正しくて悪でとかそういう話で進めると痛い目に遭うと思います。
2021年末は大阪で凄惨な放火事件がありました。記事の中で紹介した小田急線の通り魔事件を模倣した事件も発生しました。
今回紹介した思い出の中で私がやったように弱者を一方的に痛めつける行為の結果がこういう事件につながるんじゃないかなって思います。
○武さんはTwitterで「異端を排除することは効率が良いように見えるけど実は痛いしっぺ返しを食う可能性がある」と指摘していました。
僕のような客商売をしていると大切な従業員を些細なことで怒鳴り散らされたり、意味不明なクレームを入れられたり、これを許容しろ。我慢しろ。とマイナスに捉えてしまうのですが
いや、我慢しろ。許してやれやって正にそういうこと言ってるんだと思うんですけど。
なんでそんなひどい事言うの?って思いますよね。
しっかり処理しないとまじで危ないからなんですよね。
自分は何も悪いことしていない。危害を加えられるわけがない。
悪いことをした人が、罰せられて反省する。これ以上悪い事はしない。
法律に則って人を罰する事は正義である。
これ平和ボケだと思います。
ということで、結論ですが
戦うならそれ相応の覚悟決めてください!
まずは盗まれないように防犯をしっかりしましょう!!!
そして万が一盗まれた時の話ですが、防犯カメラ映像は必須です!なければ証拠もないので犯人特定するなんて不可能に近いです。
理不尽な世の中ですねw
大きい企業になればなるほど万引きとか野放しにしていたりするのですが、従業員の安全確保という点では放置は正解ですね。
個人的には少年法の改正(子供の万引き放置しすぎ)と販売員の地位向上(下に見られてターゲットにされやすい)はなんとかしたいなと思います…
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様の大切な多肉ちゃん達がどうか無事にすくすくと育ちますように。