多肉植物の「肥料」の話。初心者さんが肥料を選ぶ前に知っておきたい超基礎知識

タニラーの皆さんこんにちわ。

今回はTwitterなどでよく聞かれる「肥料」について語ろうと思います。

『園芸初心者』さん向けの話になります。

肥料ってこういうものがあるんだよ。こんな効果があるんだよと言う

「多肉植物の肥料についての基礎知識」

を語れればと思います。

この知識をもとに皆さんの愛する苗たちに化学肥料を与えるのか、どんな肥料を与えていくのか

考えていただければと思います。

まず、タニラーさんとして以下の4種類を頭に入れておくと良いでしょう。

  • 化学肥料(即効性のある物)
  • 緩効性肥料(かんこうせいひりょう)
  • 有機質肥料
  • 活力剤

今回は主にこの4つについて簡単な解説になります。

肥料について

まずは園芸界における「肥料」について簡単に基礎知識を。

「肥料」には大きく分けて2種類「有機質肥料」と「無機質肥料」(化学肥料)があります。

「有機質肥料」は鶏糞や油粕、骨粉があります。植物性または動物性の有機物を原料とした肥料です。

「無機質肥料」はこれに対し鉱物などの無機物を原料として科学的に精製された肥料です。

無機質肥料にも種類があり、肥料三要素である窒素・リン酸・カリウムのうち1種類のみを含んだものを「単肥」といい

2種類以上含むものを化成肥料(複合肥料)と言います。

そして有機質肥料と無機質肥料を合わせたものを「配合肥料」なんて呼びます。

(化学肥料と化成肥料、複合肥料と配合肥料が似ててわかりづらい上に調べるとごちゃ混ぜに使用されていたりで、本当のところどう定義されているのか微妙なところです。)

さらに園芸界では「活力剤」と呼ばれる物があります。一応「肥料」とは別の扱いをされているのですが、例えるならば医薬部外品の化粧品といったところでしょうか・・・

まぁむずがしい話はほどほどに

最初に言った4つ「化学肥料」「緩効性肥料」「有機質肥料」「活力剤」について解説します。

化学肥料(即効性のある物)

代表選手はハイポネックスです。青い液体のやつですね。

すぐに植物が吸収できる状態の成分となっているので、即効性があります。

また植物の求める栄養素を人間がコントロールする事ができ、栄養素をバランスよく与える事ができます。

匂いも少なく、室内用植物にも適しています。

効果がすぐに目に見えるので使用感があり、癖になるのですが

使いすぎると土壌を悪くしたり、根を痛めてしまう事があるので初心者さんにはあまりお勧めしません。

特に多肉植物においては苗が緑になってしまい、苗をオオキクシタイ!という方にはお勧めしますが、

紅葉を楽しみたい方には不向きの肥料になります。

緩効性肥料について

代表選手は「マグァンプk」です。

またホームセンターなどで販売している「花と土の培養土」とよく名のつく用土にも混ぜ込まれていることが多いです。成分表を確認して見てください。

緩効性肥料(かんこうせいひりょう)は化学肥料の一種で、植物がすぐに吸収できる成分なのですが、加工されており成分が少しずつ滲み出るイメージです。

目に見えて効果を発揮するわけではないのですが、撒いた直後から「少しづつ」長い期間効果を発揮させます。

タニラーさんでは植わっている苗に後からパラパラと追肥として使用することもありますが、

用土を作成した際に元肥として混ぜ込む方もいます。

少しづつ成分が滲み出てくるので、根を痛めることが少なく初心者さんでも使いやすい化学肥料です。

観葉植物などにも幅広く愛用されています。

ハイポネックスのように2日目などに目に見えて違いが出ることは無いのですが、確実に効果は出てきます。

しかし、使用量に不明点が残る事、どれくらい使えば良いのか分からないや、どれくらい使えばどのくらい効果が出るのかわからない

また長期間効果が出てしまうため、紅葉シーズンに紅葉しなくなってしまったりなど、多肉植物ならではのデメリットもあります。

紅葉を楽しみたいのであれば与える分量・時期には注意が必要です。

有機質肥料の特徴

みんな知ってる代表的なもので言うと「腐葉土」です。

ホームセンターでも売っている様なもので言うと「牛糞」「バーク堆肥」「鶏糞」など

微生物が有機質(枯葉や糞)を「分解」することで初めて肥料としての効果を生む物です。

この過程を踏むことにより、効果がゆっくりと長期間持続する事が1番の特徴

(既に発酵されている物が売られているので、大体すぐ効果が見られます。植物の栄養素を作る微生物とその餌がセットで売られているイメージ)

また微生物の餌を土に混ぜ込むことで土の中の有効な微生物の数が増えて土の暖衝力が高まります。

簡単に言えば良い土になります。

植物に栄養を与えると共に土壌改良としても使われる肥料です。

臭いのきついものもあり、室内には向かない物が多いです。

土の中の微生物を増やしてしまう特性上、

不用意に扱うとカビなど多肉植物の天敵である雑菌を繁殖させてしまいます。

私は「バーク堆肥」を使用しています。バーク堆肥は木の破片を発酵させた物で、この木の破片の粒がちょうど通気性も確保してくれるため使用しています。

また、化学肥料と比べると効果も薄いぶん紅葉もしっかりします。

韓国農園では「牛糞」を使用しているとの話も聞いたことがあります。

目に見えた効果が見えづらいので使用感が薄いのですが、その分この肥料成分が根を痛めたりなどのリスクは少なく安心感はあります。(もちろん入れすぎはダメ)

活力剤について

代表的なものは「HB−101」や「メネデール」と言われる商品がこの活力剤にあたります。

基本何の成分が入っているのかわからないことが多いです。

評判は良く人伝に広がり、ホームセンターなどでは棚一つ使用して大展開されていたりと実績は確かな様です。

しかし成分表が公開されていない分怪しむ方も多く、ネット検索すると検証されている記事がちらほら出てきます。

個人的な見解としては有機質肥料と化学肥料のMIXなのかなと思っています。

有機質肥料から成分を抽出濃縮したものや、肥料とは言われない植物に必要な微量元素を集めたりした物だったり

化粧品をよく利用する女性の方がこの手の商品は手に取りやすいのではないでしょうか?多分同じ感覚・・・たぶん・・・

【おまけ】植物ホルモン剤

おまけの5つ目「ホルモン剤」と呼ばれる薬があります。

植物は植物ホルモンと呼ばれる物質を体内で生成して成長したり、芽を出したり根を出したりします。

わかりやすい話を一つ出すと

植物って光のある方へ顔を向けますよね?

これはオーキシンと呼ばれる植物ホルモンが日の当たらない方へ移動してそこで細胞分裂が活性化し、茎が曲がって光の方へと顔を向けるのです。

(高校生物学レベルの話です)

この植物の成長に欠かせない植物ホルモンを人工的な化学物質で代用して植物の成長に影響を与えよう!というのがホルモン剤です。

代表的な物で言えば「ルートン」と呼ばれる商品があります。

発根や発芽を促進させたいときに使用することが多く、カット苗の切り口に塗る方も居ます。

比較的価格が安いのでお試しに使ってみると面白いかもしれません。

正直多肉植物への応用はいかがなものか、扱いが難しい点でも微妙なので今回「おまけ」としてのご紹介です。肥料じゃないし笑

多肉植物に肥料は必要なの?(個人的見解)

多肉植物に肥料は必要なのか否か。

上記4種の肥料(活力剤含む)と呼ばれる物を人為的に追加してることは必要なのか?

「無くても育てる事が可能です。しかし、上記で説明した4種の内一つでも入れた方がいいです。」

これが私の考えです。

正直、多肉植物は鹿沼土だけでも育てる事が可能です。しかしそれは管理が多少楽になるだけで苗が元気に育つと言うわけではありません。

エケベリアのロゼットを綺麗に!葉数多く!根をしっかり張らせて雑菌に強く丈夫に!を求めるならば「肥料」は必ず必要です。

例えば私は2022年エケベリアの交配にチャレンジしていますが、種を獲る苗にはうすーーくしたハイポネックスを与えています。

花芽を上げて種をつけるのに体力を使うだろうと考えたからです。

例えば斑入りの多肉にはマグァンプkを追肥しています。(全てではないですが)

葉緑素が少ない分他の苗より弱いと考えているからです。

また、紅葉しない観葉植物やアガベにはマグァンプを元肥として用土に混ぜ込んでいます。

緑になることに抵抗がないので添加しやすいのです。

例えば全ての用土にはバーク堆肥を加えています。殺菌剤や扇風機で風を当てる事で腐食、ジュレと呼ばれるものの管理ができる様になってきたので

根の張りや苗の成長・紅葉を考えてこの肥料を使用しています。

肥料の特性を知ればこの様に考えて肥料をあげるのか否か決められると思います。

世の中には様々な肥料がありますので、是非自宅の苗に適した物を探し出して使用して見てください。

良いのがあったら是非Twitterで教えてください!笑

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