タニラーの皆さんこんにちわ!
今回の記事は肥料のお勉強と
多肉植物に肥料を与え実験レポートです!
2021年の4月からエケベリアに窒素肥料を与えるとどんな成長をするのか
気になり実験をしていました。
市販されている植物の「化成肥料」には必ずと言っていいほど窒素が含まれています。
ハイポネックスとかマグァンプなんかが有名どころでしょうか。
なので市販の肥料を使えば、今回の実験で見られる現象を再現できるはずです。
その結果が「良い結果」なのか「悪い結果」なのかは特に言及するつもりはありません。
以下の記事を読んでいただき「知識」として蓄えていただければなと思います。
また今回の実験は窒素肥料の過剰添加の実験でもあるので、この半年で苗を一つも枯らせてはいないのですが、真似をするのはよくないかもしれません。
与えるとしたらもっと少なくて大丈夫です!
「肥料」についての基礎知識
まずは肥料について簡単に基礎知識を。
「肥料」には大きく分けて2種類「有機質肥料」と「無機質肥料」(化学肥料)があります。
「有機質肥料」は鶏糞や油粕、骨粉があります。植物性または動物性の有機物を原料とした肥料です。
「無機質肥料」はこれに対し鉱物などの無機物を原料として科学的に精製された肥料です。
今回の実験で使うのは「硫安」で、これは無機質肥料の一つ
無機質肥料にも種類があり、肥料三要素である窒素・リン酸・カリウムのうち1種類のみを含んだものを「単肥」といい
2種類以上含むものを化成肥料(複合肥料)と言います。
硫安は窒素系の単肥になります!
そして有機質肥料と無機質肥料を合わせたものを「配合肥料」なんて呼びます。
(化学肥料と化成肥料、複合肥料と配合肥料が似ててわかりづらい上に調べるとごちゃ混ぜに使用されていたりで、本当のところどう定義されているのか微妙なところです。)
有機質肥料の特徴
土の中の微生物が有機質肥料を「分解」することで初めて肥料としての効果を生みます。
この過程を踏むことにより、効果がゆっくりと長期間持続する事が1番の特徴
また微生物の餌となることで土の中の有効な微生物の数が増えて土の暖衝力が高まります。
簡単に言えば良い土になります。
植物に栄養を与えると共に土壌改良としても使われる肥料です。
臭いのきついものもあり、室内には向きません。
土の中の微生物を増やしてしまう特性上
雑菌に弱いエケベリアなんかにはあまり使用されていませんね。
無機質肥料
すぐに植物が吸収できる状態の肥料なので、即効性があります。
(緩効性肥料なんて書かれているものはじわじわ効くように加工されています。)
また植物の求める栄養素を人間がコントロールする事ができ、栄養素をバランスよく与える事ができます。
匂いも少なく、室内用植物にも適しています。
使いすぎると土壌を悪くすることがあり、注意が必要。
特にペーハーには気をつけて頂きたいです。
硫安について
今回実験で使用した窒素系の単肥である硫安について簡単にご説明します。
硫安=硫酸アンモニウム(NH4)2SO4
無色透明の結小で、水によく溶け効果の即効性が非常に高いです。
元肥、追肥どちらにも使用できますが、硫酸が副成分としてあるため土壌の酸性化に注意が必要
ただ石灰と直接混ぜて使用するとアンモニアとして成分が流出してしまうのでNGです。
硫安の使い方
今回は液肥にして追肥として使用します。
袋に記載のある通り、200倍に薄めてみます。
2リットルペットボトルに10g硫安を入れて
2リットルの水で薄め硫安水を作ります。
いつも通り子供が誤飲しないように嗜好を凝らします。
硫安は吸湿性はあまりありませんがすぐに溶けてしまうのでジップロックに入れて保管。
無色透明だと他の薬とわかりづらいので、食紅でハイ○っぽくしておきました。
ちなみにエケベリアは食紅を吸収しないので青く色づいたりはしません。(実験済み)
全て我が家で葉挿しで増やした苗で、葉挿しトレーから2号黒ポットへ植え替えたばかりの小苗になります。
水さしで非添加の苗に謝って添加しないよう気をつけ散布
黄色のタグが刺さった右半分に硫安を添加しています。
経過観察(約1週間ごとの写真)
実験開始の2021年4月24日から2021年9月21日までの写真をほぼ1週間ごとに羅列します。
・硫安は2週に1回、全体に底面給水後添加します。
・ポットの配置はずらしていません。
・トレーで管理することで日当たり、水やり頻度は同条件に
・途中1度、土の酸性化を防ぐために石灰を添加しています。
では、スクロールしながら成長を比較してお楽しみください。
考察
育成していて思ったことをつらつらと書いていこうと思います。
まず硫安の効果がはっきりと確認できたのは2週目でした。
明らかに葉の色が濃くなっています。特に中央2段目のシャビアナの色の違いがわかりやすく出ました。
効果が出るのがとても早いのがわかります。
成長スピードについても硫安を添加したほうが圧倒的に早く大きくなっています。
また7月30日から9月18日の1ヶ月半の左側無添加苗について
大きさはほぼ変化なしに対して、
硫安添加組の苗は成長を続けています。
ただ大きさの差がある割に葉の枚数はあまり変わらないのかなと感じました。
葉の枚数も添加している方が多くはあるのですが、一枚一枚の葉の大きさが大きくなることの方が苗の大きさに強く影響を与えているようです。
これは育成時期が夏であることも関係しそうですが(夏は冬より葉が伸びやすい)硫安を与えた方が顕著に現れるのは確かです。
1番の差が出たのは紅葉です。
特に桃太郎は最終的にここまで差が出ました。
添加組の苗も全く紅葉していないわけではないですが、
「肥料を与えると紅葉しなくなる」というのはこの実験で確認することができました。
まとめ
実験はまだまだ継続中なのですがここで一旦まとめておきたいと思います。
冒頭で書いた通り、エケベリアに肥料を与えることが良い事なのか悪い事なのかという話をするつもりはありません。
ケースバイケースでうまく利用すれば良い。これが今のところ私の結論です。
例えば「小さい苗を買ってきたから早く大きくしたいんだ!」という方には今回の実験ほどの量を与えるのはよくないですが
必要量の肥料を与えるのは正解です。
ただ「大きくして可愛く紅葉させたい!」となると話は変わります。
窒素を与えると葉の色は濃くなり紅葉しづらくなります。なので紅葉させたい方には肥料はお勧めしません。
注意して欲しいのは苗を購入するときです。
緑が濃く、葉が伸びた苗は肥料を添加して育てられた可能性があります。
それを「綺麗に紅葉する苗だ!」と名前だけ見て購入しても紅葉させるのに1年かかってしまうかも知れません。
(肥料の添加をやめてからどのくらいで紅葉するかの実験も今試しています。結果が分かり次第新たに記事を書く予定ですが、とりあえず1ヶ月では無理です。)
今回の実験本当は別の目的で始めたのですが、副産物的に肥料についての話ができそうだったので、まとめさせていただきました。
これから多肉植物への肥料を考えている方の参考になれれば幸いです。
また、実験は継続中で毎週Twitterの方で#硫安実験 のタグをつけて呟いています。
気になる方はツイッターフォロー是非よろしくお願いいたします!w